歴史問題と内政干渉
歴史問題を考える上で、最初に出てくるのは「海外政府が日本の歴史観に対して口出しするのは内政干渉である」という趣旨の議論である。
しかし、そんなことは議論の出発点なだけで、なんの解決にもならない。。
「内政干渉だから、中国や韓国の要求に応じる必要は無い」というところまではいい、しかしだからといって、「事態を放っておけばいい」ということにはならない。
大体、中国や韓国だって、これが「内政干渉」なのは重々承知の上だろう。
承知していなかったのは、これまでの日本政府ぐらいだ。
問題は、過去、「内政干渉」に対して単純に要求に応じてきた日本政府の弱腰であって、訳知り顔で「内政干渉!」とだけ声高に主張すること自体レベルが低い。
ではどうするべきなのか?
これまでの日本政府は脇が甘かったと言わざるをえない。
中国や韓国国内の失政のガス抜きに「歴史問題」が利用されているというのは、とりもなおさず日本政府が「歴史問題」に対して余りに無頓着だったせいと言える。
「ちょっと、国内も不安だし、いっちょ反日するか。日本政府は、あいかわらず戦争責任について中途半端なこと言ってるし、ゴネればそのうち謝罪してくるだろうし」などと、外国政府に利用されるような隙を作っていたのは、日本政府の責任だと思う。
日本政府としては、事なかれ主義になるのではなく、歴史問題を適切に処理して、これ以上他国における、不必要な反日の口実をつくらないようにすべきであろう。
念の為に言っておくが、私が言いたいのは、「中国や韓国の言うことを聞け」とかいうことでもなく、「日本の戦争責任は重大なのだ!」とかいった左的なことでもなく、「今こそ日本は自虐的史観から脱却し、中国や韓国の主張などに挫けることなく誇るべき日本の歴史を世界に発信すべきだ!」とかいう右寄りなことでもない。
いいかげん、中国や韓国から言われっぱなしの状況を何とかしろ、と言っているのだ。
具体的には、中国や韓国から歴史問題を問われた場合に、「日本政府としては、このように考え、このように行動しており、中国や韓国の言い分は言いがかりに過ぎない」と言えるようにしろと言いたいのである。
歴史問題は事実の問題として、民間の研究団体にゆだねるべきなのではないか。
「中国や韓国が歴史を政略の道具とするから、日本も政治的に歴史をコントロールする必要がある」という考え方もわかる。
しかし、日本はむしろ歴史を事実問題として考えるべきなのではないかと思う。
大体、今の日本で、政府が歴史をコントロールする必要があるとは思えない。
教育について国が考えるのは結構だが、過去に何が起こったのかということを政府が決定するのは筋違いなのではないかと思う。
餅は餅屋。マスコミや政府が決定した歴史ではなく、歴史は研究者によって十分に研究されるべきで、それで十分ではないか。
その意味では、日本政府が中国に対して、歴史の共同研究を申し込んだのは評価できる。
プロパガンダのように、政府やマスコミが、歴史について、ああだこうだというのではなく、研究対象として客観的に考えることが必要であると思う。
ただ、中国では歴史が政治の道具であるので、日中二国だけで研究すると政治色を払拭することは事実上不可能である。
また、中国や韓国などは共同研究を否定するかもしれない。
そういう意味では、むしろ、戦争中に日本が占領していた他の各国の民間の研究者を含め、民間の研究機関を作り出来る限り政治的に中立な研究が行えるような環境作りが好ましいように思う。
また、EUでは一歩進んでEU共通の教科書というのが作成されている。
「教科書」となると単なる歴史事実とは異なり、政治的な色彩が強くなるために、そう簡単にはいかないだろう。現にEUの教科書も苦戦しているようだ。
ただ、歴史事実の研究としては、そのようなアジア以外の機関とも交流を図り、できるだけ客観的に見える歴史を研究すべきだろう。
中国や韓国の一方的な歴史を、これ以上メディアを通じて垂れ流すのは良くない。
専門的な見地から、各国の主張する歴史を事実として、できるだけ客観的に評価・研究する必要がある。
政治運動的な論争の色が強いとはいえ、日本国内においても今のところ、議論されている歴史問題(南京での一般市民の死者数だとか、戦時中の売春施設における強制性の程度など)については、決着がついていない。
このような状況からすれば、おそらく、客観的に徹底的に議論すれば、中国や韓国の主張するような歴史でもなく、日本国内の突出した右派が主張するような歴史(例えば南京では、全く殺人事件が無かったというような主張)でもなく、中庸な(ある意味あいまいな)歴史事実しか認定できないのではないかと思われる。
でもそれが「客観的に」導き出されたと言える環境があれば、それに従えばいい。
中国や韓国が、独自の歴史観を主張しても、それは独自の歴史観でしかない。
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日本人の欠点:1、主体性がない、2、自己主張がない、3、媚び諂う、4、曖昧模糊、5、事なかれ主義 6、腰抜け
これらの克服が必要だと思います。
コメント及びご賛同ありがとうございます。
確かに同じ日本人同士ならば、まだ事を荒立てずに、なぁなぁで解決するということもできるし、その方がいい場合もあるんでしょうが、同じやり方が、国際的に通用するわけではないんですよね。
事なかれ主義から如何に脱却するかが、国際社会での日本の地位の向上につながるんでしょうね。